イリアス 第十九歌

  • 運命の女神の名は「モイラ」。今の英語の名前の「モイラ」は語源が違うのかもしれないけど,「赤い靴」に主演したモイラ・シアラーが思い浮かぶ。
  • アガメムノンアキレウスの和解の場面。お互い,神の気まぐれ(?)にもてあそばれた結果,喧嘩する羽目になってしまい,不幸な状態を生んだといっている。ある意味,意地を突っ張り通してしまった事なんかは,神が定めた事で,お互いどうしようもなかったんだという形で手打ちができるというのは,うまいやり方だと思う。「なんであんな事になったのか分からないが,神がそう決めたのだから」それでケリをつける。 これを根拠付けられる宗教(ってギリシャの神々への信仰は言えるのだろうか?)は神が多いぶん趣旨一貫していなくてすむ多神教以外ないだろう。この辺が多神教のよさだよね。
  • ずっと読んできて思うけど,ほんとに女は戦利「品」でしかないのね(^^;)*1 だとすると自分を失った男のことはある程度で忘れて,獲得した男にはとっとと惚れてしまう方が女の側の精神衛生上は良かったってことかもしれない。まぁ,動物は大概そうだし… そんな風に考えると第三歌のメモにも書いたヘレネへの疑問も解けるかも。

*1:別に蔑視だ何だと言うつもりはないです